光センサーは太陽電池はともに、入射光を電気信号・電力に変換するデバイスであり、デバイス構造、動作原理とも、ほぼ同じである。一方、両者は用途が異なるため、要求されるデバイス特性にも大きな違いがある。外部電力・回路の補助を使うことができない太陽電池は、半導体デバイスの中でも最も厳しい要求がある上にコストの制約も大きい。一方、光センサーの場合は特定の波長領域で特性を実現すればよいことも多く、また、外部電力や回路により動作点を制御したり信号を増幅できること、高付加価値を付けられる場合にはコストの制約も少なくなる。これらの事情は、材料やデバイスの評価方法と評価指標も異なることを意味している。 本チュートリアルでは、光センサー用材料を開発することを念頭に、光伝導と光電デバイスの基礎からはじめ、光センサー用材料としての材料特性・デバイス特性をどのように評価し、こらら特性をもとに、どのように材料やデバイス構造を改良していくかについて、初学者を含めた学生・研究者を対象に説明する。